分散分析 計算ツール(一元配置分散分析)
3つ以上の独立した群の平均値を比較します。生データを貼り付けるか、各群の n・平均・標準偏差を入力すると、分散分析表、F値、p値、η²、等分散でない場合のウェルチの分散分析、Tukey HSD による多重比較、APA 7 形式の報告文を表示します。計算はすべてブラウザ内で行われます。
| 統計量 | 値 |
|---|---|
| F | 30.52 |
| 自由度 | 2.00, 12.00 |
| P値 | 1.97e-5 |
| η² | .84 |
| ω² | .80 |
| Welch F | 32.40 (p < .001) |
APAレポート
F(2.00, 12.00) = 30.52, p < .001, η² = .84
Tukey HSD
- A − B: Δ = -8.00, p = 0.008
- A − C: Δ = 8.80, p = 0.004
- B − C: Δ = 16.80, p = 1.33e-5
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論文を生成使い方
1. **入力方法を選ぶ** - *生データ*:群ごとに1列ずつ貼り付けるか、CSV を読み込んで列を選びます(群の列+値の列というロング形式にも対応)。 - *要約統計量*:各群のサンプルサイズ、平均値、標準偏差を入力します。論文の表しか手元にない場合に便利です。 2. **2群以上を入力**(分散分析は通常3群以上で使います。2群なら対応のない t検定と同等です)。 3. **分散分析表を読む**:平方和、自由度、平均平方、F値、p値、効果量 η²。 4. **群の標準偏差やサイズが大きく異なる場合**は、ウェルチの分散分析の結果を確認します。 5. **Tukey HSD を確認**し、どの群の組み合わせに差があるかを、調整済み p値と信頼区間で見ます。 6. **APA 7 の報告文をコピー**します。
データは端末の外に出ません。計算はブラウザ内で完結します。
一元配置分散分析とは
一元配置分散分析(one-way ANOVA)は、複数の独立した群の母平均がすべて等しいかを検定します。
- H0:μ1 = μ2 = … = μk
- H1:少なくとも1つの群の平均が異なる
**群間**のばらつきと**群内**のばらつきを比べ、群平均どうしの差が群内の偶然の変動では説明しにくいほど大きければ、F値が大きく p値が小さくなります。
**1つのカテゴリカルな要因**で独立した群に分かれ(3つの指導法、4種類の肥料、対照群と2つの用量群など)、**結果変数が連続量**のときに使います。すべての組み合わせで t検定を繰り返すと偽陽性の確率が膨らむため、まず分散分析で全体を検定し、Tukey HSD などの多重比較で組み合わせごとの差を調べます。
同じ参加者を複数条件で測定した場合は反復測定分散分析、要因が2つ以上なら多元配置分散分析が必要で、このページの対象外です。
前提条件
- **独立性**:各観測は1つの群にのみ属し、互いに影響しない。
- **正規性**:各群内で結果変数がおおよそ正規分布に従う。群のサイズが近く、各15程度以上あれば多少の逸脱には頑健です。
- **等分散性**:各群の分散が近い。最大の SD が最小の SD の2倍程度を超えないことがよく目安にされます。満たされない場合、とくに群のサイズが異なるときは、等分散を仮定しない**ウェルチの分散分析**を報告します。
結果変数が順序尺度、あるいは小標本で大きく歪んでいる場合は、ノンパラメトリックなクラスカル・ウォリス検定が一般的な代替です。2群の比較なら[マン・ホイットニーの U 検定 計算ツール](/ja/tools/mann-whitney-u-test-calculator)をご利用ください。
計算式
群の数 k、各群のサイズ n_i、群平均 ȳ_i、全体平均 ȳ、総数 N として:
`SS_群間 = Σ n_i (ȳ_i − ȳ)²`、df_群間 = k − 1
`SS_群内 = Σ Σ (y_ij − ȳ_i)² = Σ (n_i − 1) s_i²`、df_群内 = N − k
`MS = SS / df`
`F = MS_群間 / MS_群内`、自由度 (k − 1, N − k) の F分布と比較します。
効果量:`η² = SS_群間 / SS_全体`。
Tukey HSD は各ペアについて `q = |ȳ_i − ȳ_j| / √[ (MS_群内 / 2)(1/n_i + 1/n_j) ]` を求め、スチューデント化された範囲の分布と比較します。
ウェルチの分散分析は `w_i = n_i / s_i²` で重み付けし、分母の自由度を調整するため、分散が異なっても妥当な結果が得られます。
計算例
3つの指導法で試験の点数を比較しました(各群5人)。
| 指導法 | 点数 | 平均 | 標準偏差 | |---|---|---|---| | A(講義) | 78, 82, 75, 80, 85 | 80.0 | 3.81 | | B(アクティブラーニング) | 85, 88, 90, 84, 93 | 88.0 | 3.67 | | C(自習) | 70, 72, 68, 75, 71 | 71.2 | 2.59 |
分散分析表(Python と SciPy で検算済み):
| 変動要因 | SS | df | MS | F | p | |---|---|---|---|---|---| | 群間 | 706.13 | 2 | 353.07 | 30.52 | < .001 | | 群内 | 138.80 | 12 | 11.57 | | | | 全体 | 844.93 | 14 | | | |
- **F(2, 12) = 30.52、p < .001**(p = 0.00002)
- **η² = .84**:点数のばらつきの約84%が群の違いで説明されます。
- ウェルチの分散分析:F(2, 7.73) = 33.42、p < .001。結論は同じです。
Tukey HSD による多重比較:
| 比較 | 平均値の差 | 95% CI | 調整済み p | |---|---|---|---| | B − A | 8.0 | [2.26, 13.74] | .008 | | A − C | 8.8 | [3.06, 14.54] | .004 | | B − C | 16.8 | [11.06, 22.54] | < .001 |
3つの組み合わせすべてに差があり、アクティブラーニングが最も高く、自習が最も低い結果でした。
結果の解釈
- **F が有意**であることは「すべての平均が等しいわけではない」という意味にすぎず、どの群に差があるかは多重比較で確認します。
- **η²(イータ二乗)**は群の違いで説明される全分散の割合です。Cohen の目安として .01 が小、.06 が中、.14 が大とよく引用されます。小標本では過大評価しやすく、ω² のほうが偏りが小さい指標です。
- **ウェルチと通常の F**:一致していればどちらを報告しても構いません(最近はウェルチを標準とする雑誌も増えています)。食い違い、分散が不等なら、ウェルチを優先します。
- **Tukey HSD** はすべての対比較を通じた第1種の過誤率を制御し、等分散を前提とします。各ペアの調整済み p値と信頼区間を確認しましょう。
- **F が有意でない**ことは平均が等しいことの証明にはなりません。群が小さい場合はとくに注意が必要です。
特定の2群の標準化された差が知りたい場合は、[効果量 計算ツール](/ja/tools/effect-size-calculator)で Cohen の d を求められます。
APA 7 形式での報告
検定名、2つの自由度、F値、p値、効果量を記し、続けて多重比較の結果と各群の平均・SD(表にまとめることも多い)を示します。
> 一元配置分散分析の結果、指導法によって試験の点数に有意な差が認められた,*F*(2, 12) = 30.52, *p* < .001, η² = .84。Tukey HSD 法による多重比較の結果、アクティブラーニング群(*M* = 88.0, *SD* = 3.67)は講義群(*M* = 80.0, *SD* = 3.81; *p* = .008)および自習群(*M* = 71.2, *SD* = 2.59; *p* < .001)より高く、講義群は自習群より高かった(*p* = .004)。
ウェルチの分散分析を用いた場合は、*F*(2, 7.73) = 33.42 のように小数の自由度を報告します。
複数の結果変数や共変量、属性情報を含むデータセット全体がある場合は、Data2Paper の[論文生成](/ja/generate-paper)で分析から論文ドラフトの作成まで行えます。前半は無料でプレビューできます。
よくある間違い
- **分散分析+多重比較の代わりに t検定を繰り返す**:偽陽性の確率が膨らみます。
- **F が有意な時点で終える**:どの群に差があるのかを示していません。
- **F が有意でないのに多重比較を行い**、有意なペアだけを報告する。
- **反復測定データに一元配置分散分析を使う**(同じ参加者が全条件に参加している場合)。
- **不等分散を無視する**:とくに最も小さい群の SD が最も大きいときは危険です。ウェルチを使いましょう。
- **p値だけを報告する**:効果量と各群の平均・SD も必ず記載します。
- **小標本で回答が端に偏ったリッカート項目を**根拠なく連続量として扱う。