効果量 計算ツール(Cohenのd・Hedgesのg・r・η²)
2群の平均値・標準偏差・サンプルサイズ、または対応のないt検定のt値から、Cohenのd とHedgesのg を計算し、rとη²に変換します。解釈の目安と、編集できるAPA第7版形式の報告文も表示します。
| 統計量 | 値 |
|---|---|
| Cohen's d | 2.14 |
| Hedges' g | 1.93 |
| 95% CI | [.88, 3.40] |
| η² from F | .84 |
APAレポート
d = 2.14, g = 1.93, 95% CI [.88, 3.40] (approximate normal CI for d)
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論文を生成使い方
手元のデータに合わせて入力方法を選びます。
- **平均と標準偏差**:独立した2群それぞれの平均、標準偏差、サンプルサイズを入力します。最も正確な方法です。
- **t値**:対応のないt検定のt値と2群の人数を入力します。論文にt値はあるが標準偏差がない場合(メタアナリシスのデータ抽出など)に便利です。
出力:
1. **Cohenのd**:プールした標準偏差で標準化した平均値差 2. **Hedgesのg**:小標本バイアスを補正したd 3. 同じ結果から変換した **r**(点双列相関)と **η²**(イータ二乗) 4. Cohenの慣例的な目安による大きさの表示と、APA第7版形式の文
dの符号は入力順(グループ1 − グループ2)で決まります。本文での比較の向きと合わせてください。
効果量とは・なぜ報告するのか
p値は「差が偶然で説明できる範囲を超えているか」を示し、効果量は差が**どれくらい大きいか**を示します。サンプルが十分大きければごく小さな差でも有意になり、小さければ重要な差でも有意にならないことがあります。そのためAPA論文作成マニュアル(第7版)は、有意性検定とあわせて効果量を報告するよう求めています。
標準化された効果量は結果を共通の尺度で表します。
- **Cohenのd**:平均値差を標準偏差の単位で表したもの。d = 0.5 は平均が標準偏差の半分だけ離れていることを意味します。
- **Hedgesのg**:dに補正係数を掛けたもの。小標本ではdが母集団の効果をやや過大推定するため、gでその偏りをほぼ取り除きます。メタアナリシスでは通常gを使います。
- **r**:群の違いを「群の所属」と結果変数の相関として表したもの。
- **η²**:結果変数の全分散のうち群の所属で説明される割合。2群比較ではr²に等しくなります。
単位をもたないため、異なる尺度を用いた研究間で比較でき、検定力分析やメタアナリシスの入力にもなります。
計算式
平均・標準偏差・サンプルサイズから:
- プールした標準偏差:`sp = sqrt( ((n1 − 1)·s1² + (n2 − 1)·s2²) / (n1 + n2 − 2) )`
- Cohenのd:`d = (M1 − M2) / sp`
- Hedgesの補正(一般的な近似):`J = 1 − 3 / (4·(n1 + n2) − 9)`
- Hedgesのg:`g = J · d`
対応のないt検定のt値から:
- `d = t · sqrt(1/n1 + 1/n2)`
- `r = sqrt( t² / (t² + df) )`、`df = n1 + n2 − 2`
- `η² = t² / (t² + df)`
dと人数のみからrへ:`r = d / sqrt(d² + (n1 + n2)² / (n1·n2))`(2群が同じ人数なら約 `d / sqrt(d² + 4)`)
dの近似標準誤差(95%信頼区間用):`SE = sqrt( (n1 + n2)/(n1·n2) + d² / (2·(n1 + n2)) )`、`CI = d ± 1.96·SE`
計算例
2つの指導法による試験得点を比較した研究です。
- 指導法A:M = 78.4, SD = 10.2, n = 30
- 指導法B:M = 72.1, SD = 11.5, n = 32
手順:
- `sp = sqrt((29·10.2² + 31·11.5²) / 60) = 10.89`
- `d = (78.4 − 72.1) / 10.89 = 0.58`
- `J = 1 − 3 / (4·62 − 9) = 0.987`、`g = 0.57`
- 対応するStudentのt検定は t(60) = 2.28, p = .026。このt値と n1 = 30、n2 = 32 を入力しても同じ d = 0.58 が得られます。
- `r = .28`、`η² = .08`
- dの近似95%信頼区間:0.07〜1.09
すべての値はPython(SciPyの`ttest_ind_from_stats`とNumPy)で確認済みです。
効果量の大きさの解釈
Cohen(1988)が、より良い基準がない場合の目安として示した値:
| 指標 | 小 | 中 | 大 | |---|---|---|---| | d または g | 0.2 | 0.5 | 0.8 | | r | .10 | .30 | .50 | | η² | .01 | .06 | .14 |
この目安では例の g = 0.57 は中程度の効果です。ただし:
- Cohen自身、分野固有の情報がない場合の慣例であり普遍的な基準ではないと述べています。
- 意味のある大きさかどうかは、アウトカム、介入のコスト、同じ分野の他の研究結果によって変わります。
- 点推定値と同じくらい信頼区間が重要です。例の区間はほぼ0から大きな効果まで広がっており、真の効果は不確かです。
APA第7版での報告
記述統計、検定結果、効果量(可能なら信頼区間も)を報告します。
> 指導法Aで学んだ学生(M = 78.4, SD = 10.2)は指導法Bで学んだ学生(M = 72.1, SD = 11.5)より得点が高かった,t(60) = 2.28, p = .026, d = 0.58, 95% CI [0.07, 1.09]。
gを報告する場合はその旨と小標本補正を行ったことを明記します。
データ一式がある場合は、Data2Paperの[論文生成(Generate Paper)](/ja/generate-paper)でCSV/Excelから統計解析・効果量・表・図を含む論文草稿を作成できます。前半は無料でプレビューでき、数値はご自身で確認してください。
よくある間違い
- **対応のあるデータに独立2群の式を使う**:反復測定では標準化の方法(差得点の標準偏差によるd、d_avなど)が異なり値も変わるため、どれを使ったか明記します。
- **メタアナリシスでdとgを混在させる**、またはどちらを報告したか書かない。
- **多要因分散分析でη²と偏η²を混同する**。
- **「小・中・大」を実質的な重要性の判定として扱う**。
- **符号を落とす**:dが負ならグループ2の方が高いということです。
- **標準偏差があるのにt値から変換する**:可能ですが、平均と標準偏差を直接入力すれば丸め誤差を避けられます。