マン・ホイットニーのU検定 計算ツール
独立した2群の生データを貼り付けると、Mann-WhitneyのU統計量、タイ(同順位)補正付きのz値、小標本でタイがない場合の正確なp値、順位双列相関、そしてAPA第7版形式の報告文が得られます。
| 統計量 | 値 |
|---|---|
| U | 10.50 |
| z | -0.31 |
| P値 | 0.753 |
| r | -.10 |
| Exact | No |
APAレポート
U = 10.50, z = -0.31, p = .753, r = -.10
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論文を生成使い方
1. **グループ1**のデータを1つ目の欄に、**グループ2**を2つ目の欄に貼り付けます。区切りはカンマ・スペース・改行のいずれでも構いません。ExcelやSPSSの列をそのままコピーできます。 2. 1つの値は1人(1単位)の観測値です。2群のサンプルサイズは異なっていても構いません。 3. 通常は両側検定を選びます。片側検定は、データを見る前に方向性のある仮説を立てていた場合に限ります。 4. 出力:各群の順位和、**U値**、正規近似による**z値**(タイ補正込み)、**p値**、効果量としての**順位双列相関r**。 5. 両群とも小標本でタイがない場合は、Uの厳密な分布にもとづく**正確なp値**も表示します。小標本では正規近似より正確です。
マン・ホイットニーのU検定とは・いつ使うか
マン・ホイットニーのU検定(ウィルコクソンの順位和検定とも呼ばれます)は、**対応のない2群**を比較するノンパラメトリック検定です。対応のないt検定の正規性の仮定に頼れないときに使います。平均値ではなく、全データをまとめて順位をつけ、一方の群の値が他方より大きくなりやすいかを調べます。
主な使用場面:
- リッカート尺度の評定、痛みスコア、満足度などの順序データ
- 正規性を十分に確認できない小標本
- 反応時間、在院日数、所得など、強く歪んだデータや外れ値のあるデータ
同じ参加者を2回測定した対応のあるデータには、ウィルコクソンの符号付順位検定を使います。3群以上ならクラスカル・ウォリス検定です。データがおおむね正規分布なら、[t検定 計算ツール](/ja/tools/t-test-calculator)の方が一般に検出力が高くなります。
前提条件
- **独立性**:群内・群間の観測が独立しており、同じ参加者が両群に含まれないこと。
- **順位がつけられること**:結果変数が順序尺度または連続量であること。
- **解釈は分布の形に依存**:この検定が答えるのは「一方の群が大きな値をとりやすいか」です。2群の分布の形とばらつきが似ていて位置だけが異なる場合に限り、中央値の差として解釈できます。
- **タイ(同順位)**:同じ値には平均順位を与え、z値はタイ補正した分散で計算します。正確なp値はタイがないことを前提とするため、タイがあるときは正規近似に切り替えます。
計算式
全N = n1 + n2個の値をまとめて小さい順に順位をつけ(タイは平均順位)、グループ1の順位和をR1とします。
- `U1 = R1 − n1(n1 + 1) / 2`
- `U2 = n1·n2 − U1`
- 報告には通常 `U = min(U1, U2)` を用います。
正規近似:
- `μU = n1·n2 / 2`
- タイなし:`σU = sqrt(n1·n2·(N + 1) / 12)`
- タイあり:`σU = sqrt( (n1·n2 / 12) · [ (N + 1) − Σ(t³ − t) / (N(N − 1)) ] )`(tは各同順位グループの個数)
- `z = (U1 − μU) / σU`
順位双列相関(効果量):`r_rb = 1 − 2U / (n1·n2)`。−1〜1の値をとり、「グループ1が高いペアの割合」から「グループ2が高いペアの割合」を引いた値に等しくなります。
計算例
学習アプリを使った学生8人と使わなかった学生8人のエンゲージメント得点を比較した小規模なパイロット研究です。
- アプリ群:12, 15, 9, 20, 17, 14, 22, 11(中央値14.5)
- 対照群:8, 10, 7, 13, 6, 16, 5, 4(中央値7.5)
16個の値に順位をつけると、アプリ群の順位和は **R1 = 91** です。
- `U1 = 91 − 8·9/2 = 55`、`U2 = 64 − 55 = 9`、よって **U = 9**
- `μU = 32`、`σU = sqrt(8·8·17/12) = 9.52`
- `z = (55 − 32) / 9.52 = 2.42`、正規近似の両側 p = .016
- タイがなく小標本なので、**正確な両側 p = .015**
- `r_rb = 1 − 2·9/64 = 0.72`
これらの値はSciPy(`scipy.stats.mannwhitneyu`)で確認済みです。
結果の解釈
p = .015 は慣例的な .05 を下回るため、アプリ群のエンゲージメント得点は対照群より高い傾向があったといえます。r_rb = 0.72 は、アプリ群×対照群の全64ペアのうち、アプリ群の方が高いペアが86%、低いペアが14%(0.86 − 0.14 = 0.72)であることを意味します。効果量に普遍的な基準はないため、自分の分野の先行研究と比較してください。各群8人では効果量の信頼区間が広くなるため、予備的な結果として記述するのが適切です。
有意でない結果は、2群が等しいことを示すものではありません。
APA第7版での報告
中央値(または平均順位)、U、zまたは正確なp、効果量を報告します。
> Mann-WhitneyのU検定の結果、アプリ群のエンゲージメント得点(Mdn = 14.5, n = 8)は対照群(Mdn = 7.5, n = 8)より高かった,U = 9.00, z = 2.42, p = .015(正確検定),r = .72。
pが正確検定か正規近似かを明記し、効果量の種類(ここでは順位双列相関)も記載します。`r = z / sqrt(N)` を使う著者もいますが、別の指標なのでどちらを使ったか明示してください。
アンケートや実験のデータ(CSV/Excel)から論文全体をまとめたい場合は、Data2Paperの[論文生成(Generate Paper)](/ja/generate-paper)で統計解析・図表・考察を含む草稿を作成できます。前半は無料でプレビューでき、納得してから全文を解除できます。数値は必ずご自身の分析と照合してください。
よくある間違い
- **対応のあるデータに使う**:前後比較にはウィルコクソンの符号付順位検定を使います。
- **分布の形を確認せずに「中央値の差」と書く**。
- **p値だけを報告する**:効果量と記述統計(中央値と四分位範囲、または平均順位)も示します。
- **U1とU2の混同**:ソフトによって出力が異なります。小さい方を報告し、差の方向は文章で示します。
- **タイが多いのに正確なp値を使う**。
- **t検定が有意でなかった後にU検定へ切り替える**:検定は分析前に決めておきます。