回帰分析 計算ツール(単回帰分析)
X と Y の2列を貼り付けると単回帰分析を行い、回帰式、傾きと切片の標準誤差・t値・p値、決定係数 R²、自由度調整済み R²、F検定、残差標準誤差、回帰直線付きの散布図、APA 7 形式の報告文を表示します。計算はすべてブラウザ内で行われます。
| 統計量 | 値 |
|---|---|
| 傾き | 1.50 |
| 切片 | 0.67 |
| R² | .96 |
| Adj. R² | .93 |
| P値 | 0.121 |
APAレポート
y = 0.67 + 1.50x. F(1, 1) = 27.00, p = .121, R² = .96
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論文を生成使い方
1. **X と Y を入力**:X は説明変数(独立変数)、Y は目的変数(従属変数)です。スプレッドシートから2列を貼り付けるか、カンマ・スペース区切りで入力、または CSV を読み込んで列を選びます。 2. **n を確認**:X か Y が欠損している行は除外され、使われたペア数が表示されます。最低3組必要です。 3. **係数表を読む**:切片と傾きそれぞれについて、推定値、標準誤差、t値、両側 p値が表示されます。 4. **モデルの要約を読む**:R²、自由度調整済み R²、残差標準誤差、F値とその p値。 5. **グラフを確認**:回帰直線付きの散布図で、直線でデータを表すのが妥当かを確かめます。 6. **APA 7 の報告文と回帰式をコピー**して論文に使います。
データは端末の外に出ません。計算はすべてブラウザ内で完結します。
単回帰分析とは・使う場面
単回帰分析は、観測値 Y と直線との縦方向のずれの2乗和が最小になる直線 `ŷ = b0 + b1·x` を求める方法です(最小二乗法、OLS)。
- **傾き b1(回帰係数)**:X が1単位増えたときの Y の変化量の期待値。
- **切片 b0**:X = 0 のときの Y の予測値。X = 0 が現実的な値でなければ解釈する意味はあまりありません。
- **決定係数 R²**:Y のばらつきのうち X で説明できる割合。
1つの説明変数から結果を**予測**したい、あるいは X が1単位変わると Y がどれだけ変わるかを**数量化**したいときに使います。たとえば広告費を1万円増やすと売上がいくら増えるか、年齢とともに血圧がどう変わるか、といった問いです。予測の向きを決めずに関連の強さだけを知りたい場合は[相関係数 計算ツール](/ja/tools/correlation-calculator)が適しています。説明変数が2つ以上なら重回帰分析が必要で、このページの対象外です。
前提条件(LINE)
- **線形性**:Y の平均が X に対して直線的に変化する。散布図が曲線なら直線モデルは不適切です。
- **独立性**:残差どうしが独立している。同じ人の繰り返し測定や時系列データでは満たされないことが多いです。
- **正規性**:残差がおおよそ正規分布に従う。主に小標本での p値や信頼区間に影響します。
- **等分散性**:残差のばらつきが X の値によらずほぼ一定。グラフが漏斗型なら要注意です。
また、**影響力の大きい点**にも注意しましょう。X 方向に他から離れた1点が回帰直線を引き寄せ、傾きを大きく変えることがあります。
計算式
傾きと切片(最小二乗法):
`b1 = Σ(x − x̄)(y − ȳ) / Σ(x − x̄)²`
`b0 = ȳ − b1·x̄`
残差標準誤差(自由度 df = n − 2):
`s = √[ Σ(y − ŷ)² / (n − 2) ]`
標準誤差と t検定:
`SE(b1) = s / √Σ(x − x̄)²`、`t = b1 / SE(b1)`
`SE(b0) = s · √[ 1/n + x̄² / Σ(x − x̄)² ]`、`t = b0 / SE(b0)`
当てはまりの指標:
`R² = 1 − SS_残差 / SS_全体`、`調整済み R² = 1 − (1 − R²)(n − 1)/(n − 2)`
`F = (SS_回帰 / 1) / (SS_残差 / (n − 2))`、自由度 (1, n − 2)。単回帰では傾きについて `F = t²` となり、p値は一致します。
計算例
ある小売店が10週間にわたり、週ごとの広告費(X、千ドル)と売上(Y、千ドル)を記録しました。
| 週 | 広告費 X | 売上 Y | |---|---|---| | 1 | 1 | 12 | | 2 | 2 | 15 | | 3 | 3 | 14 | | 4 | 4 | 19 | | 5 | 5 | 21 | | 6 | 6 | 20 | | 7 | 7 | 25 | | 8 | 8 | 27 | | 9 | 9 | 26 | | 10 | 10 | 31 |
結果(Python と SciPy で検算済み):
- 回帰式:**ŷ = 10.00 + 2.00·x**
- 傾き b1 = 2.00、SE = 0.165、t(8) = 12.11、**p < .001**、95% CI [1.62, 2.38]
- 切片 b0 = 10.00、SE = 1.025、t(8) = 9.76、p < .001
- **R² = .948**、調整済み R² = .942
- 残差標準誤差 = 1.50
- **F(1, 8) = 146.67、p < .001**
広告費が1千ドル増えるごとに週の売上は約2千ドル増え、この標本では売上の週ごとの変動の約95%を広告費で説明できています。広告費6.5千ドルの週の予測売上は 10 + 2 × 6.5 = 23 千ドルです。広告費12千ドルの予測は観測範囲(1〜10)の外なので外挿になります(下の「よくある間違い」参照)。
結果の解釈
- **傾きと p値**:H0:b1 = 0 の検定で、直線的な関係の証拠があるかを判断します。効果の大きさの幅を示す傾きの信頼区間も報告しましょう。
- **切片**:研究上の関心でないことが多く、その p値は X = 0 での予測値が0かどうかを検定しているだけです。
- **R² と調整済み R²**:R² は説明変数を増やすと必ず増えますが、調整済み R² はモデルの大きさにペナルティを課します。説明変数が1つなら、n が小さくない限りほぼ同じ値です。
- **残差標準誤差**:Y の単位で表した典型的な予測誤差です。この例では平均して約1.5千ドルずれます。
- **F検定**:説明変数が1つなら傾きの t検定と同等です。
R² が高くてもモデルが正しいとは限らず、R² が低くても傾きが重要でないとは限りません。残差のパターンと傾きの大きさをあわせて判断しましょう。
APA 7 形式での報告
説明変数と目的変数、傾き(非標準化は b、標準化は β)とその検定、モデル全体の当てはまりを記載します。
> 単回帰分析の結果、広告費は週の売上を有意に予測した,*b* = 2.00, *SE* = 0.17, *t*(8) = 12.11, *p* < .001, 95% CI [1.62, 2.38]。モデルは売上の分散の94.8%を説明した,*R*² = .95, *F*(1, 8) = 146.67, *p* < .001。
予測に使う場合は回帰式も示します。R² は1を超えないので先頭の0は省きます。
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よくある間違い
- **外挿**:観測した X の範囲外で予測すること。その範囲で直線関係が成り立つ保証はありません。
- **傾きを因果効果と解釈する**:観察データが示すのは関連であり、因果の主張には研究デザインの裏付けが必要です。
- **残差プロットを見ない**:曲がりや漏斗型があると p値や信頼区間が誤解を招きます。
- **意味のない切片を解釈する**:身長0の人の体重など。
- **X と Y を取り違える**:Y を X に回帰した直線と X を Y に回帰した直線は異なります。研究上の問いに合わせて選びましょう。
- **1つの外れ値に結果が左右される**:除いて再分析し、結論が変わるなら両方を報告します。
- **他の変数を統制したいのに単回帰を使う**:その場合は重回帰分析が必要です。